ZENの活動

相馬 剛さん

当社代表の田村は高校生のときにサーフィンを始め、38歳まで競技として行っていました。
その後、選手としては引退し、現在は様々なスポーツのレースのアシスタントや商品開発などに携わっています。
自身もアスリートだったからこそ、スポーツに取り組む選手たちの立場になり、気持ちに寄り添えるのが私の強み。
20年ほどの競技生活の経験を生かして、アスリートたちの日々のトレーニングや試合でのパフォーマンス向上のために多角的なサポートを行っています。

そんな中で、とても印象的な選手との出会いがありました。

彼の名前は「相馬剛」。
普段は海上保安庁の職員をしながら、国内屈指のトレイルランナーの選手でもありました。
彼がこの競技を始めたのは、トレーニングの一環だったそうです。
しかし、実力を計るべく出場した「日本山岳耐久レースー（通称ハセツネ）」では、なんと2回目にして優勝。
この驚異の成績をおさめて以降、トレイルランニングのトップランナーとして君臨していました。

相馬選手との出会いは、当社がサポートしていた別の選手からの紹介でした。
彼が「ZENを使用した感じがとてもいいので、サポートしてほしい」と言ってくれたのです。

実は、このときはまだ、当社のスポーツサプリはエンデュランス系（持久系）の選手にはあまり使用例が多くなく、私自身もトレイルランニングは未経験だった事もあり、サプリの使用感についてももっと情報が欲しいと思って興味を持ちました。
そこで、相馬選手とお会いしたところ、その真面目でひたむきな人柄にも惹かれ、当社で全面的にサポートする事を即答させて頂いたのです。

ところが、1年も経たないうちに相馬選手から契約を解除したいとの連絡がありました。
理由を聞くと、｢1度目のハセツネ優勝以来スランプになり、よい成績が残せなかったから｣との事。
私は「ウェアやシューズはさておき、トレイルランニングを辞めるという事でなければ、体を作るための食事や栄養、サプリはおろそかにせずに続けた方がよいのではないか？」と提案しました。
他のスポンサーが降りる中、相馬選手もZENだけは残す方向で考え直してくれて、地道にレースへの出場を続けていました。
その後、ようやくスランプから抜け出し、信越五岳4連覇、ハセツネの2回目の優勝など結果を出すようになったのです。

さらには2013年に海上保安庁を退職し、【Fuji Trailhead】という山岳ガイドクラブを立ち上げ、独立をされました。
どんどん上り詰めていく相馬選手でしたが、2014年の海外のレース出場後、プライベートで登ったマッターホルンで2014年7月23日遭難。
この時はちょうど彼のアドバイスの元【山よりだんご】【塩梅水】などの商品開発を行っている最中で、私も愕然としたのを忘れる事はありません。
｢彼が納得してくれる様な商品に！｣との想いで開発に挑み二人三脚で作っていた商品でしたが、彼に渡す事ができないまま、2018年10月、マッターホルンで彼の遺骨が発見されました。

相馬選手とともに作ったこれらの商品は現在もたくさんの皆様にご好評を頂いております。
アスリートとの絆は、契約やお金だけのつながりではなく、本気でそのスポーツや、選手の思いを商品化する事が大切だと今でも思い続けています。